転職先に小児科を選びたい看護師が押さえておきたい4つのタイプ
小児科に転職希望の看護師の皆さんこんにちわ!
子どもは好きですか??
子どもの笑顔って素晴らしいですよね!
でも不安なこともありますよね?
「仕事が大変そう……」
「モンスターペアレントが怖い……」
「小児科も色々あってどれを選べばいいか分からない……」
その不安、めちゃくちゃ分かります!(笑)
実習での記憶も今は昔。
いざ転職するにも分からないことばかりですよね。
今回はそんなあなたの為に失敗しない小児科選びをレクチャーします!
まずはこの表を見てください。
クリニック | 小児病棟 | NICU・PICU | GCU | |
---|---|---|---|---|
給料 | △ | 〇 | 〇 | 〇 |
残業 | 多い | 多い | とても多い | 多い |
夜勤 | 無し | 普通 | とても大変 | 大変 |
難易度 | ◎ | 〇 | × | △ |
重症度 | 低 | 中 | 高 | 中 |
職場の雰囲気 | △ | 〇 | △ | △ |
男性スタッフ | ほぼいない | 少ない | 少ない | 少ない |
求人数 | 少ない | 多い | とても少ない | とても少ない |
親と関わる時間 | とても短い | 長い | 短い | 長い |
小児科は大きく4つのタイプに分けられます!
一概に小児科といっても環境は様々です。
自分にピッタリな小児科を選ぶのが転職成功のカギとなります!
この記事を読めばきっとあなたにピッタリの小児科が見えてくるでしょう。
4タイプを簡単におさらい
全体像:比較的症状の軽い子どもが対象の、通院制の診療所です。
特徴:通常の診療に加え健診や予防接種もあり忙しい。
メリット:子どもの死に直面することが無い。休診日がある。
デメリット:他の科のクリニックと比べて残業が多い。
全体像:主に入院が必要となる子どもが対象の病棟です。
特徴:付き添いの親御さんに食事の介助やおむつ交換をお願いすることが出来る。
メリット:様々な知識やスキルが身につく。子どもの笑顔が癒しになる。
デメリット:親御さんとの関わりが深く、ストレスが多い。
全体像:生まれて4週間以内の新生児が対象の、命に関わる重篤な患児の為の集中治療室です。
もう少し上の年代を扱う集中治療室のことをPICU(小児集中治療室)といいます。
特徴:普通の小児科には無い高度な設備を備え、24時間体制で重篤な患児を治療します。
急変リスクが非常に高く、対応する医師や看護師にもとても高度な技術や経験が求められます。
メリット:高い技術と豊富な知識が身につく。
デメリット:専門性が高く、仕事を覚えるまでとても時間が掛かる。患児の死に直面する機会が多い。
全体像:NICUほど重篤でない比較的病状が落ち着いている新生児が対象です。
集中治療室ではなく一般病棟扱いになります。
特徴:NICUで治療を行い、回復のめどが立った患児が移動してくる後方病棟としての役割もある。
メリット:症状が比較的落ち着いているので急変のリスクが少ない。
デメリット:看護以外に育児的な仕事がとても多い。
小児科といっても実はこんなに違うんですね。
それでは実際にこの4つの小児科がどう違うのか、スミからスミまで説明していきます!
扱う疾患
小児科で扱う疾患は病院によって様々です。
クリニックは入院設備が無く通院となる為、基本的には症状の軽い疾患が対象となります。
患児のほとんどが風邪!ってくらい風邪の患児が多いです。
小児病棟は入院患児を対象に骨折などの怪我から急性、慢性問わず様々な疾患を扱います。
NICUは主に未熟児や先天性疾患などの急変リスクの高い重病を扱います。
GCUは挿管管理が必要でない低出生体重児など、急性期を抜けた状態や慢性疾患が対象です。
給料
クリニック | 小児病棟 | NICU・PICU | GCU | |
---|---|---|---|---|
給料 | △ | 〇 | 〇 | 〇 |
小児科の給料は4タイプともあまり大きな差はありません。
仕事の内容というよりは残業や夜勤の量によって差が生まれています。
なので残業や夜勤が多いNICUは他の3タイプと比べて給料は少し高めになっていますね。
また他の科と同様に、クリニックは病棟勤務と比べると安くなっています。
残業
クリニック | 小児病棟 | NICU・PICU | GCU | |
---|---|---|---|---|
残業 | 多い | 多い | とても多い | 多い |
小児科の残業は基本的にどこも多めです。
インフルエンザが流行る時期は特に多いです。
季節によって変動が大きいのも小児科の特徴ですね。
NICUは特に残業が多い傾向があり、研修や勉強会なども頻繁に開かれています。
小児病棟も残業は多いです。
というのも、子どもが心配でついつい長く接してしまうんですね。
例えば手術の前日。不安になっている子どもを励ますのは看護師の仕事です。
ある意味一番看護師らしい仕事ですし、何より励ましてあげたいという気持ちが大きいのでついつい残業してしまいます。
また、クリニックでは親御さんの仕事などの都合を考慮し夕方遅くまで診療し、その分お昼休みを長くとる病院も増えています。
夜勤
クリニック | 小児病棟 | NICU・PICU | GCU | |
---|---|---|---|---|
夜勤 | 無し | 普通 | とても大変 | 大変 |
小児科の夜勤事情は病院によって様々です。
勿論通院制であるクリニックにはありませんが、それ以外だと当然夜勤はあります。
しかも大人が相手の一般病棟と違い、相手は子ども。
もう本当に忙しいです(泣)
夜泣きやミルクなど子どもならではの対応に追われ通常の業務がどんどん後回しになっていきます。
特にNICUやPICUなどの集中治療室ではいつ急変が起きるかわかりません。
一時の気の緩みが患児の命に関わります。
ずっと気を張り続けているのでとても大変です。
小児病棟の患児はNICUと違ってコミュニケーションが取れる年齢の子がほとんどです。
なので夜も不安に怯えていたり、悲しくて泣いていたりします。
そういった心のケアも小児科の看護師としてとても大切な仕事です。
難易度
クリニック | 小児病棟 | NICU・PICU | GCU | |
---|---|---|---|---|
難易度 | ◎ | 〇 | × | △ |
小児科の仕事の難易度は病院によって全く異なります。
NICUは急変リスクが最も高く、看護師にも高い知識と経験が求められます。
GCUもNICUより症状は落ち着いているとはいえ、気は抜けません。
後遺症を持つ患児もいますので、専門的な知識が必要となります。
小児病棟では逆に様々な年齢や疾患の子どもがいます。
なかなか落ち着いていられないのが子どもというもので、騒ぐ子どもたちをコントロールするのはとても骨が折れます。
回復している証なので、喜ばしいことなんですけどね(笑)
クリニックでは入院患児の看護はありませんが、常にばたばたとしています。
病棟と比べ、規模も小さく、働く看護師の数が少ないことが理由です。
とにかく次から次へと診察があるので、病棟とは違った忙しさや大変さがありますね。
特にインフルエンザの流行るシーズンは生きた心地がしません(笑)
重症度
クリニック | 小児病棟 | NICU・PICU | GCU | |
---|---|---|---|---|
重症度 | 低 | 中 | 高 | 中 |
集中治療室であるNICUが一番重症度が高いです。
GCUは、急性期を脱し回復の目途が立った患児が対象なので比較的重症度は低いです。
小児病棟は様々な患児が入院しています。
クリニックは通院制なので風邪などの軽い疾患や慢性疾患がメインです。
重篤な疾患の場合は設備の整った病棟を紹介したりするので、クリニックが扱う患児の重症度としては一番低いです。
職場の雰囲気
クリニック | 小児病棟 | NICU・PICU | GCU | |
---|---|---|---|---|
職場の雰囲気 | △ | 〇 | △ | △ |
小児科の雰囲気は職場によって様々です。
どこの科も同じことが言えますが、スタッフの数が少ない職場の方が危険です(笑)
嫌な上司がいても避けられないですからね。
また、NICUやGCUは新生児がメインなので体が小さい分職場のスペースが狭く、息が詰まる思いをするかもしれません。
小児病棟はいわゆる「THE小児科」というイメージで構いません。
働くスタッフは様々ですが、子どもの扱いに長けた人が多いですね。
とはいえ人間関係は環境によって一概に語れないものです。
入職する前に情報収集を欠かさないようにしましょう。
男性スタッフの数
クリニック | 小児病棟 | NICU・PICU | GCU | |
---|---|---|---|---|
男性スタッフ | ほぼいない | 少ない | 少ない | 少ない |
小児科で働く男性スタッフの数は4タイプともとても少ないです。
特にクリニックでは、ほぼいないと考えてよいでしょう。
理由としてはやはり患児、親御さん共に男性スタッフを嫌がる傾向があるからです。
最近は児童ポルノの問題もあり、特に小さな女の子の親御さんは気にされる方が多いですね。
また、クリニックでは男性スタッフ用の更衣室自体が無かったりとなかなか男性は肩身の狭い思いをすることが多いです。
求人数
クリニック | 小児病棟 | NICU・PICU | GCU | |
---|---|---|---|---|
求人数 | 少ない | 多い | とても少ない | とても少ない |
NICUやGCUは全国でも数が少ない施設です。
それゆえ求人数もとても少ないです。
クリニックは近年閉院する病院が多いことや、元々看護師の需要が少ない(一つのクリニックで1~2名程度)こともあり求人は少ないです。
小児科の看護師というと小児病棟への就職がメインとなります。
親と関わる時間
クリニック | 小児病棟 | NICU・PICU | GCU | |
---|---|---|---|---|
親と関わる時間 | とても短い | 長い | 短い | 長い |
小児科にとって親と関わる時間は気になるところですよね。
親と関わる時間ですが、やはり入院している期間が長いほど時間が長い傾向にあります。
疾患にもよりますが、長いのは小児病棟でその分クレームも多くなります……(泣)
子どもを助けたくて小児科に入ったのに、親御さんとの対立がストレスになるなんて嫌ですね。
ですが、患児が元気になって感謝されたり、喜ぶ親の顔をみると、小児科を選んで本当によかったなぁと思います。
GCUも長期入院が多く、看護以外に退院後の育児の指導をしたりと、親御さんとの関わりは多くなります。
NICUは入院している期間自体は短いですが、患児自体が危険な状態であり、また親御さんもショックを受けていることから、親御さんのサポートも大切な仕事です。
逆にクリニックは診療時間も短いので、親と関わる時間はとても短いです。
ですが、待合室で長時間待たされたりで親御さんのストレスが溜まって、怒りをぶつけられることも多いです……(泣)
まぁ、つまり……どこも親御さんとの付き合いは避けられません(笑)
関わる時間が短ければ大変でない、ということはありませんが、参考にしてみてください。
まとめ
小児科は4タイプそれぞれ全く異なります。
環境も違えば、仕事内容も抱える大変さも様々です。
自分が憧れるイメージに近いタイプを選ぶのが後悔しないポイントですね。
私がお勧めするのは、小児病棟です。
確かに、親御さんとのトラブルも多いですし、子どもたちにいら立つこともあります(笑)
ですが、それ以上に子どもの笑顔には救われますし、親御さんの喜ぶ姿には力をもらえます。
辛いこともありますが、小さい頃から憧れた看護師さんってそうだったんだと変に関心しながら働く毎日です。
病棟の子どもたちはコミュニケーションが取れる年齢だからこそ、心の支えが大切になります。
小児科の看護師はそんな「心の支え」になれるとても素晴らしい職業です。
私がそうだったように、受け持った子どもたちが将来、私のような看護師になりたいなんて思ってもらえたらこんな幸せなことはありません。
あなたもぜひ!小児科の看護師になりましょう!
入職してから「こんなんじゃなかった」と思うことのないように、職場選びは慎重にね。