公務員看護師ってなに?メリット、給料、転職方法。公務員看護師のまとめ

看護師の皆さんこんにちは。
看護師のたま子です!

最近友人からこんなこと聞かれました。
「国立病院で働く看護師って、国家公務員なの?」

私、正直分かりませんでした(・_・;

友人からは「看護師なのに?!」と鼻で笑われました…

これがけっこー悔しかったので、公務員の看護師についてがむしゃらに調べました!
公務員看護師について私が調べて分かったことをここにまとめたのでご覧ください。

看護師も公務員になれる

実は看護師も公務員になれるんです!
私は公務員を意識したことがなかったせいか、恥ずかしながら知りませんでした。

病院で働いている人は看護師。
役所で働いている人は公務員。

おおまかにこう思っていました。

看護師と公務員は、全く別の業界で交わることのない存在だと思いこんでいたんですね。

しかし、存在するんです。
公務員でありながら、看護師として働いている人たちが!
しかもそんなにめずらしくないんですね(恥)

まずは看護師と公務員、それぞれの何ぞや?
ということを次でおさらいしましょう。

看護師と公務員

看護師
医師の補助、患者の療養に携わる職業。国家資格保有者。
職場は医療機関から在宅やイベントまで幅広い。
資格を持ってないと看護師として働けない。

看護専門学校、または大学で3年〜4年、勉強する必要があります。
さらに、国家試験に合格しなければなりません。
取得するのは大変ですが、資格さえあれば、就職先には苦労しません。(個人の見解です^^;)

公務員
公的機関で働く人。公務員試験に合格しないと働けない。
(国会議員や裁判官、教員といった選挙や資格が必要な特例は除く。)

公務員の採用試験の条件には、学歴の条件はありません。年齢の制限はありますが。
そのため、比較的誰でも公務員に挑戦することができます。
ただ、倍率が高く、なかなか合格が難しいと言われています。
就職さえ決まれば、一生働けるので安心です。

この全く違う2つの肩書きを持つ公務員看護師。
いったいどうすればなれるのでしょうか?

看護師が公務員になるには

公的機関に、看護師として採用されれば、公務員になれるんです。
公務員になるのって、すごく難しいイメージを持っていたので、
え、それだけでいいの!?とびっくりしちゃいました。

公的機関というのは、例えば市民病院や公立病院です。
〇〇市立〇〇病院、〇〇県立〇〇病院、のように
自治体が運営している病院に採用されることで、公務員になれます。
公務員試験はありません!

では、公務員看護師の採用試験って、何やるんでしょう?

採用試験

筆記、面接、作文。
これらが一般的です。
ただし、治体や病院によって内容は異なるので各自確認を。
筆記では一般常識を問うものから、看護の知識を問うものまで様々です。

ただ、採用募集の多くは4月就業に向けての募集。
年中あるわけではないので、自分の好きなタイミングでの転職は難しいでしょう。

さらに、公務員は人気があるため倍率が高いんです。
自分が働きたい病院が、タイミングよく募集していなかったり、ライバルが多くて自分のスペックでは難しい…
そんな状況も可能性があるということです。

公務員の種類

公務員には大きく分けて2種類あります。
国家公務員と地方公務員です。

国家公務員
行政機関や国が運営する機関で働く

地方公務員
自治体運営の機関で働く

運営元が違います。
国の管轄か、県や市などの自治体の管轄かで変わってきます。

国家公務員と聞くと、ものすごくエリートな感じしません!?
本当に看護師が国家公務員になれるのでしょうか??

国家公務員の看護師になるには

・国立ハンセン病療養所
・宮内庁病院
・自衛隊
・厚生労働省

この職場に就職できれば、国家公務員の看護師です!
…って、やはり簡単になれそうにない(-。-;

自衛隊の看護師になるには、防衛医科大学の看護学校を卒業する、または自衛隊入隊後に看護の勉強をする方法があります。
この大学では、看護学生もほふく前進など、自衛隊員の訓練を(一部)行うそうですよ。

また、厚生労働省では、臨床の現場ではなく、医療関連の法整備などの職務。患者さん相手ではないんですね。

ハンセン病療養所や宮内庁病院も、「働きたいでーす!」と言っても、「看護師足りないんでぜひお願いしまーす」とはいきません。

そもそも病院の数が少ないし、規模も大きくありません。
だから、ここで働ける看護師の数が少ない。
たとえ募集があっても、書類選考が厳しいようです。

もし、書類選考が通ったとしても、面接で人間性、接遇力、看護師としてもこれまでの経験や資質を厳しく見られます。

いったいどんなスーパーナースが働いているんでしょう(^_^;)

地方公務員の看護師になるには

以下の場所で働くことで地方公務員になることができます。

・公立の病院
・保健所
・公立の保育園
・市、区役所
など

中には看護師以外の資格(保健師やケアマネ)や経験年数など、応募条件があることも。
それでも、働く先は国家公務員にくらべて多くあるので、国家公務員に比べて公務員になりやすいと言えます。

では、なぜみんな公務員になりたいのでしょう?公務員になるとどんないいことがあるのでしょうか?

公務員看護師のメリット

公務員になると、こんなメリットがあります。

・社会的信用がある
・昇給がある
・休みが取りやすい
・手当が充実している

社会的信用がある
「公務員」であるだけで、社会的信用が得られます。
公務員は、自治体が運営しているので、職場が倒産する可能性がきわめて低いです。
また、公務員は余程のことがない限り、クビになることがありません。
将来、長期的に安定した収入が見込めるということですね。

さらには、「看護師」は他の職業に比べて給料は良いですし、医師の補助を基本に、人の命に関わる大変な仕事です。

このように社会的信用のある「公務員」と「看護師」のダブルの肩書き。最強ですよね。

これらが全て、社会的信用に繋がっています。

昇給がある
公務員は毎年昇給があります。
昇給は条例や法律で決められています。
民間の病院で働く看護師の中には、10年勤めていても、2000円しか上がっていなかった、なんていうケースもありますし、これまで昇給したことない!という話も聞いたことあります…
毎年昇給がきまっていると、モチベーションになりますよね。

休みが取りやすい
職場によって異なりますが、民間に比べて休みが取りやすいです。
公務員の休みは、国や市で決められています。4週8休で、きちんと取れるのが基本です。
ただ、公務員でも、病院によって異なるのが現状です。民間でも、公立でも、病院選びは大事です。

手当が充実している
資格手当、住宅手当、家族手当、地域手当、待機手当、期末勤勉手当など。
豊富な手当があり、給料にプラスされています。

公務員看護師の給料

民間看護師の平均初任給 約27万円。
公務員看護師の平均初任給 約27万円。

意外にも、民間と公務員とで初任給を比較しても、差はありません。
しかし、10年後には大きくなります。

公務員は毎年昇給するため、スタートの給料が同じでも、10年後は公務員看護師の年収は、民間看護師の年収を大きく超えます。
ボーナスも毎年利率が上下しますが、安定して出ています。
公務員のボーナスも、法律で決まっていますからね。

公務員看護師になったら、できるだけ長く勤めたいですね。

公務員看護師のデメリット

公務員看護師で働く事は、メリットだけではありません。

・お局的存在
・失業手当出ない
・サービス残業多い
・スキルアップの機会が少ない

お局的存在
公務員看護師は、長く勤める人が多くいます。
長く勤めることで待遇が良くなるからです。
毎年昇給があるため、勤続年数が増えれば、比例して給料がUPします。退職金も多い!

そして長く同じ職場にいる看護師は、確立した自分のやり方を持っているので、新しく入ってくる看護師を嫌います。そういった先輩看護師はどの職場にもいそうですが、公務員看護においては、割合が多いと考えましょう。

失業手当が出ない
公務員は雇用保険に入れません。
そのため、仕事を辞めてゆっくりしようと思っていても、あてにしている失業保険はもらえませんよ。退職する時は計画的に。

サービス残業が多い
公務員は時間通りに仕事が終わるイメージを持っていませんか?
私も思い込んでいましたが、看護師はやはり違うようです。帰り際に急変があれば対応のため残業になるし、仕事が残っていれば終わるまで帰れません。看護師はそういう運命なのでしょう…

そして残業代もなかなかでない病院が多いようです。10時間以上はつかないというところ屋、師長の許可制で、申請はほぼ却下など、民間病院よりもこの辺りはシビアかもしれません。
給料や物品は税金からまかなっているので、使いすぎは批判の元に。そういう背景から、経費節約にうるさかったり、残業も簡単につけられない現状につながっていくんでしょう。

スキルアップの機会が少ない。
基本、医師がやります。
採血や点滴などのスキルは民間の病院よりも実践の機会がありません。
病院によって異なるので、行きたい病院はどうか調べましょう。

公立病院に転職したい!

募集のタイミングを逃すな
民間の病院のように、欠員が出たらすぐに募集、または随時募集はありません。
通常は4月入職向けの大量募集です。
欠員が出た時の臨時募集は、あったとしてもいつ出るかわかりません。
民間病院で働きながらチャンスを伺う。募集のタイミングを逃さないことが大切です。

採用試験対策する
作文対策では、自分の考えを短くまとめる練習をしておきましょう。

面接では、聞かれる質問の傾向を知り、答え方を練習しましょう。
時間がないと言い訳してたら、転職できませんよ。

少ないチャンスを確実にゲットするために、プロに助けてもらうのもおススメです。

対策はプロに聞け

言い訳したくないけど…
働きながらの転職活動って、間違いなく忙しいですよね。

その時は、転職エージェントを利用するのが有効。
転職エージェントは、転職をサポートしてくれる転職のプロ!
しかも看護師専門のエージェントがいるんです。

面接時の質問の傾向や、答え方のアドバイスなどの面接対策、その他公務員看護師になるためのアドバイスなど。
忙しい看護師にとっては効率よく必要な情報が手に入るから嬉しいですよね。

公立病院への転職を、たくさんサポートして来た実績があるからこそ、情報もあるし、アドバイスもできます。

無料で利用できるものです。
試しに活用してみましょう(^-^)

国立病院の看護師は国家公務員なのか?

忘れてはいけない、友人からの質問です。
答えはNO。
国立病院で働いている看護師の多くは国家公務員ではありません。

国家公務員の看護師は、前述した通り、
・国立ハンセン病療養所
・宮内庁病院
・自衛隊
・厚生労働省

これらの職場ではたらく看護師に限ります。

答えが出せてスッキリしました(^-^)

…でも、国立病院って全国にたくさんあるよね?
上記以外の国立病院で働く看護師は、国家公務員でないなら、なに?

国立病院は国立病院機構に変わっていた

実は、国立病院は運営母体が国から行政へ変わったそうな。
そう、元国立病院。
今は独立行政法人国立病院機構と名前を変えています。

だから、国立病院機構ではたらく看護師の多くは、国家公務員ではありません。

しかし、運営母体は変わっても、さすが元国立病院。
体制や待遇は公務員時代から引き継がれているため、民間の病院よりも安定した環境で働くことができます。

公務員の肩書きはないけど、公務員並みの待遇で働けるのが国立病院機構。

まとめ

改めて、公務員看護師については本当に何も知らなかったんだなと、恥ずかしく思いました。

きっかけをくれた友人には感謝です。

看護師の中には、公務員看護師になりたいと考えている人もいるでしょう。
ここでまとめたことが参考になれば嬉しいです。

先日、例の友人と会いました。
「公務員看護師のこと、なんでも聞いて!」
とどや顔で言ってやりましたよ。

しかし友人は…
「なんのこと?」
とすっかり忘れておりました…orz