理想の看護師と現実の自分。そのギャップに悩んだ時に出来ること

こんにちは!
看護師10年目のたま子です。

皆さん、理想の看護師像ってありますか?

こんな看護師になれたらいいなぁ。
あの先輩みたいになりたいなぁ。
ドラマのあの看護師に憧れる!

きっと誰もが一度は夢見る理想の看護師の姿。
そして今の自分と比較し、そのギャップに落ち込んだり…
あるあるですね(ー ー;)

そこで今回は、理想の看護師になるために必要なことは何か?
そしてギャップに悩んだ時どうしたらいいか?をお話ししたいと思います。

理想の看護師像はベテランの姿

まずはみんなが思う理想の看護師の姿からみてみましょう。

・いつもニコニコしている
・素早い判断ができる
・急変時もテキパキ動ける
・なんでも知っている
・とにかく仕事が早く抜けがない
・フォローも的確
・後輩に優しい
・ドクターに意見が言える
・どんな時も落ち着いている
・自信が溢れている

これってもはや大ベテランの姿ですよね(゚o゚;;
10年目の私からみても、まだまだ先の理想の姿だと感じます。

現実の自分は理想から程遠い姿

インシデント起こして叱られる…
患者さんに怒鳴られる…
先輩に助けられてる…
急変でパニックになってしまう…
わからないことが沢山ある…

現実の自分は、理想とは程遠い。
それでも理想の自分を目標にがんばれるなら良いでしょう。

しかし、高すぎる目標は時に自分を追い込んでしまうこともあります。

理想と現実のギャップがありすぎることで、
がんばっても無理。
向いてない。
自信ない。
辞めたい。

こんな風に思い悩んでしまうことも。
これはきっと誰もが通る道。私もそうでした。

思ってたのとは違う看護師の仕事

ある調査によると、辞めたいと思っている現役看護師の割合は、8割もいるそうです。

看護師の仕事はとてもハードですからね。
わかります。

それに、ただ仕事量が多くて大変というだけじゃない。
命や人生が左右される現場で働くことのプレッシャー、スタッフや患者さんとのコミュニケーションの難しさ、時間外での勉強、交代勤務による不規則な生活…

看護師って、かっこよくみえますが、実際は想像するより大変なんです。
だから特に、新人看護師から3年目の看護師は、「思ってたのと違う」と離職する人が多い。

まずは理想の看護師に近づくために、これらを乗り越えなくてはなりません。

理想の看護師になるには経験値が必要

理想の看護師になるには、看護師としての多くの経験が必要です。
経験を積むことで、看護師のレベルが上がりますからね。

ほら、ゲームのキャラクターと同じです。
たくさんの敵を倒したりステージをクリアすると、経験値が得られますね。
それを何度もくりかえすことで、技を覚え、その技も磨かれ、強くなっていきます。

このように、理想の看護師はその姿になるまでに、沢山の経験を積んでいるんです。

しかし、実際にはゲームのようにスムーズにレベルを上げられません。
ミスをしたり、怒られたり、オロオロしたり。
中には現実の自分に失望し、辞めたいと考える人もいるでしょう。
経験を積む前にゲームオーバーを選んでしまう人もいるのです。

経験値を上げるには看護師を続けること

今の自分は理想の看護師から程遠い…。
そう悩むのもわかります。

でも安心してください。
理想像はもっともっと先の、あなたの未来の姿につながっています。

だから悩んだときに辞めるのではなく、辞める前に少しだけ、続けるにはどうしたらいいかを考えてみましょう。

続けることで身につく3つのスキル

看護師を続けてさえいれば、おのずと看護師の経験値はあがり、スキルも身につきます。
例えば、専門性リーダー教育者としてのスキル。

専門性が身につく
医療や看護の知識や技術はもちろん、患者さんとのコミュニケーション能力や、判断力が身につきます。
専門性を高めるには、もちろん自己研磨などの努力も必要ですが、実践から身につくところが大きいです。

リーダーとしてのスキルが身につく
ある程度経験を積むと、リーダー業務を任されるようになります。今まで自分で精一杯だったのが、少しづつ、全体を見ることができるようになります。
チーム全体の患者の看護を考え、重症患者や転倒の危険がある患者への注意、またリーダーの立場から、どうスタッフをフォローできるか、考えられるようになります。

教育者としてのスキルが身につく
新人看護師の指導係や、指導係の相談役、さらに経験を積むと、看護学生の指導もできるようになります。
誰かに教える立場になると、質問に答えられないと恥ずかしい。失敗したら立場がない。といった普段とは違うプレッシャーを感じます。
後輩や学生に正しく伝えるために、予習や復習をするので、さらなる成長ができます。

この3つのスキル以外にも、アセスメント能力、危険予測、クレーム対応、ドクターなどの他業種との関わり方など、経験から学ぶことはたくさんあります。

看護師を続けることで身につくこれらのスキルは、看護師としてあなたの自信となります。
また、経験値を上げることで、周囲からの信頼も得られます。

辞めるより、続ける方法を考える方が理想の看護師に近づけます。

職場環境を見直す

看護師を続けることが大事なのは十分わかったよ!
だけど辛くて、もう辞めたいんだよ!

待ってください。
辛いと悩んでいる今の状況も、職場環境を見直し、改善することで解決する場合があります。

職場環境は、給料や勤務時間などの待遇はもちろん、スタッフや患者さんとの人間関係、仕事内容、自分の立ち位置などが含まれます。

今、辛いと悩んでいる原因も、職場環境を変えることで悩みが軽くなったり、解決するケースが多々あるんです。
もしかすると、現実の自分にひどく落ち込むことになった原因も、職場環境が影響しているかもしれません。

職場環境ひとつで、モチベーションになることもあれば、大きなストレスになることもあります。
ひどい職場環境では、すぐに辞めたくなりますからね。

さあ、一度職場環境を見直してみましょう。

職場環境を見直す方法

職場環境は病院によってもちろん違いますし、待遇もそれぞれ。
今、自分が置かれている職場はどうか?
具体的に見直してみましょう。

・納得できる給料か?
給与額だけでなく、昇給やボーナス、各種手当に不満はない?
きれいごとはなしですよ。
給料は仕事に対するモチベーションに直結します。夜勤手当が少なかったり、何年働いても昇給しなかったり、ボーナスカットがあっては不満がたまってしまいます。
そんなところでは、長く働くことはできませんね。

・納得できる勤務時間か?
朝1時間早くにきて情報収集することを強制されてない?サービス残業ばかりしてない?定時で帰れない雰囲気がある?
看護師はONとOFFをしっかり切り替えて休息やストレス発散することが大事です。
心身ともに疲労が溜まると、業務でのミスにつながり、結果、現実の自分に失望することになりかねません。

・人間関係はそこそこいいか?
人間関係の構築はそれぞれ。
例えば、自分と合わない人とは、できるだけ関わりたくないという人もいれば、距離をとった付き合い方もコミュニケーション力の一つと考える人もいます。

今の職場がそれなりに居心地がよければ、それでいいんです。
しかし、いじめや理不尽な指導をする先輩看護師がいたり、ひどいパワハラ上司がいて、心が傷ついているのに、我慢し続けるのは違います。

さらに同じ職場にフォローしてくれる人や相談相手がいないとなれば、あなたが看護師という仕事に絶望する日は近いでしょう。
すぐに対策が必要です。

・職場にカッコいいと思える先輩いる?
身近に尊敬できる先輩がいた方が、モチベーションになります。
自分の理想の看護師は、もしかしたら尊敬する先輩よりもはるか上のレベルかもしれません。
でも、まずは先輩を目指してがんばる!というようにはっきりした目標が身近にいた方が、気持ちがブレにくいんです。

・フォロー体制が整っている
看護師はミスをすると、ひどく落ち込む傾向になります。1つのミスが、患者さんの状態を左右すると理解しているからです。
ミスをすると、向いてないかも、辞めたいとまで自分を追い込んでしまう場合も少なくありません。

そこで、自分がミスをした時に師長や先輩の反応はどうですか?

なぜミスに至ったのか、次に同じミスをしないようにどうすればいいか?と一緒に考えてくれる先輩の姿が正解です。
もし、落ち込んでいるあなたに追い打ちをかけるようなひどい言葉をかけたり、自分のミスをあなたに押しつけるような人がいるなら、職場環境の見直しをしてください。

フォロー体制が整っていれば、安心してはたらけます。

・休みがとれる
希望の休みはとれてる?
看護師はなかなか希望の休みがとりにくいですよね。それでも希望休は取れます。
私の病院は、月に3日希望を出すことができます。

1年目はダメ、夜勤2回しか入ってないからダメ、独身だからダメ、と理不尽な理由で希望の休みがもらえなかったりしてない?
看護師は心身ともに負担が多い仕事。休日はしっかりと心と体を休めたいですね。

まとめ

理想の看護師は、多くの経験を地道に積み重ね、努力してきた看護師の姿です。
2年や3年でなれるものではありません。
大事なのはまず看護師を続けること。

そのためには、職場環境や労働条件が良くないと続けられませんね。

理想と現実の違いに悩んだ時は、まずは職場環境を見直して、看護師を続けていける環境を整えてみましょう。
辞めるのはそれからでも遅くないですよ(^-^)