多くの看護師がパワハラに悩んでいる!?パワハラ体験談と対策まとめ

こんにちは、10年目の看護師のたま子です。

ここ最近、パワハラに関連したニュースを耳にすることが多くなりましたね。
それは一般企業だけでなく、政界やスポーツ界でも大きな問題になりました。
医療業界も同じです。

看護師のみなさん、ドクターや師長からパワハラを受けた!
という経験ありませんか?
私はこれまでにたくさんパワハラを受けた経験がありますよ(T ^ T)

そこで今回、パワハラに悩む看護師のために、

これってパワハラ?
なんでこんなに辛いの?
どうすればいいの?

このような疑問にお答えしたいと思います。

パワハラを受けたことある看護師は?

まずは、看護師さんに聞いたこちらのアンケート結果をご覧ください。
pawaguraf
なんと9割近い看護師がパワハラを経験しています。
ただし、中にはパワハラだと思っていても、実際はそうではないケースがあるかもしれません。
それにしても、パワハラ被害の経験がある看護師って多いですね!

では、「パワハラ」ってなんなのでしょう?

パワハラってなに?

簡単に言えば、職場内での地位や権利を利用したいやがらせです。

厚生労働省では、パワハラをこのように言っています。

「優位にある立場を利用し、本来の業務の範囲を超えて、継続的に、相手の人格と尊厳を侵害する言動を行い、就労環境を悪化させるあるいは雇用不安を与えること」

難しいですね(^-^;
ポイントごとに詳しく説明します。

「優位にある立場」って?
一般的には、上司です。
先輩看護師、主任、師長、ドクターは、自分からみて上の役職で、優位な立場や権利(業務命令ができる、人事決定など)を持っていますからね。

他にも、同僚や後輩が優位な立場となるケースもあります。
例えば同僚でも、パートよりも正社員、准看護師よりも正看護師、というように、雇用や資格で優位な立場が生まれます。
また、看護師としての知識や経験の違いから、先輩よりも後輩の方が優位な立場となることも。

「本来の業務範囲」って?
業務上必要な指示や教育指導を、適正な範囲内で行うことが上司としてあるべき姿です。
その範囲を逸脱して行われる指示や指導は、パワハラに当たる可能性があります。

「継続的に」って?
問題の行為が1度あっただけでは、パワハラとはいえません。
それが日常的に行われ、執拗に繰り返されているかがポイントになります。

相手の人格と尊厳を侵害する言動」って?
もし師長から、「優先順位を考えて、もっと早くバイタル回れるようにね」
と言われたら、改善しようと努力しますよね。
しかし、努力ではどうにもできないことがあります。
例えば学歴、性別、容姿、性格、生い立ちです。
「これだから准看はだめね」
「独身だから患者さんの気持ちわからないのよ」
このように、本人のスペックを否定する言動は、パワハラの可能性があります。

「就労環境を悪化させるあるいは雇用不安を与える」って?

ここまでで、パワハラの判断ポイントを説明しました。

では次に、具体的にどんなことがパワハラになるのか、実際の看護師の体験談と一緒にみていきましょう。

パワハラの種類は6つ!

厚生労働省では、パワハラを大きく分けて6つに分類しています。

1 身体的攻撃
叩く、蹴るなどの暴力行為です。
業務の範囲内で、手をあげる行為はありませんよね。激励の場合には、肩や背中をポンっとする場合はあるかもしれませんが、痛いくらい何回も叩くことはありません。
比較的パワハラと判断しやすい種類だと言えます。

<みんなの体験談>
・申し送りで言い忘れたことがあり、後から伝えに行ったら、主任から「ダメじゃん!」と言って3発、背中を叩かれました。痛いし恥ずかしいし…(看護師歴3年、20代)
・処置の介助の時、ガーゼを渡すのが遅れ、ドクターが鑷子で私の手の甲を叩いてきました。手しびれましたけど。思い通りにいかないと看護師にあたるドクター。補助につきたくない…(看護師歴6年、30代)

2 精神的攻撃
脅迫、名誉毀損、侮辱など、精神的に辛い内容ですね。
みんなの前での叱責、長時間必要以上に執拗に叱る、メールでの罵倒などがこれにあたります。
ただし、指導範囲内の叱責は、業務上認められているものなので、厳しく叱責されたからといってパワハラにあたらない場合もあります。

<みんなの体験談>
・ナースステーション内でプリセプターに大声で40分に渡り叱られました。他のスタッフもたくさんいるところで。病室まで聞こえるほどのボリュームで、受け持ち患者さんが心配して覗きにくるほどでした…トラウマです。(看護師歴2年、20代)
・転職してすぐに、お局グループに目をつけられました。私の申し送りに対してだけ、執拗に突っ込み、答えられないことがあるとため息。仲間内では、やりにくいだの一緒は嫌だの私のミスを責める内容を私に聞こえるように話したり…しんどかった。(看護師歴9年、30代)
・インシデントレポートを朝礼で、みんなの前で発表しなさいと言われた。ミスしたことですでに落ち込んでたのに、傷をえぐられるようなショックで震えました。(看護師歴2年、20代)

3 人間関係からの切り離し
隔離、無視、仲間はずれなどがこれに当たります。
自分だけ休憩室が使えなかったり、報告のため話しかけても無視されたり、自分だけ送別会に誘われなかったり…
孤独感ハンパないです。

みんなの体験談
・他のみんなは希望休を提出して認められたけだ、私だけ休めなかった。誰かと日にちが被っていたなら仕方ないけど…。師長が一言、独身は必要ないでしょ、と。(看護師歴8年、30代)
・「あなたがいると疲れる。今日は帰って」と強制的に帰らされた。しかもその日は欠勤扱いにされた。どうして私だけこんな扱い…?(看護師歴1年、20代)

4 プライバシーの侵害
私的なことに必要以上に立ち入る行為はパワハラです。体験談の事例を見ても、業務上必要なことではないですし、コミュニケーションの範囲を超えています。

みんなの体験談
・彼氏についてしつこく聞いてくる師長。面談で彼氏のことを聞かれたので、言える範囲で答えたら、その内容を次の日にはみんなが知っていたということがあった。すごく嫌でした。その後も執拗に彼氏について聞いてきて…。何かあると、「そんなんじゃ彼氏に振られるよ〜」って、ほっとけ!(看護師歴3年、20代)
・僕は同じ病院の看護師と結婚しました。師長含めたベテランの看護師グループから、なにかと妻の話題が出るのですが…それが悪口で。あの子は本当にミスが多かった、外来に異動になってよかった、あなた家でも大変でしょ?みたいな感じで。しかもみんなに聞こえるように言う。怒りたいけど、生活がかかっていると思うとグッと我慢するしか…。(看護師歴7年、30代)

5 過大の要求
業務上、達成不可能なことを強制することはパワハラです。まだ教えていない仕事をフォローなしでやらせる、本来2人で行うべき仕事を1人でやらせる。などの行為です。

みんなの体験談
・新人で、まだ通常の業務で目一杯な時期。残業して仕事がやっと終わるくらいなのに、A先輩から「補充作業しておいてね」と。その仕事はB先輩がその日の当番のはず。Aと先輩とB先輩は一緒に飲みに行くために私に仕事を押し付けた。でもそれがわかったところで従うしかなく…このような仕事の押し付けは日常的にあった。(看護師歴1年、20代)
・1回見学しただけの、未経験の技術を、見守りなしでやってこいとプリセプターから指示が。せめて見守りを…とお願いすると、「1回見たからあれくらいできるでしょ?」「失敗いたら許さない」と言われた。そんなことが何度かあり、いつか医療事故を起こしてしまうんじゃないかという恐怖で、退職を決めた。(看護師歴2年、20代)

6 過小の要求
これまでの経験や能力とはかけ離れた、程度が低い仕事ばかりを指示、または全く仕事を与えないことは、パワハラの可能性があります。
ただ、沢山の業務の中でいくつかそういうことがあっても、パワハラとは言えません。
看護師の業務は多岐に渡りますからね。

みんなの体験談
・私は看護師10年の経験があり、ある程度のことはそこそこできると思っています。でも今の職場では、採血や導尿などの看護技術はやらせてもらえず、私だけ介護士と一緒にオムツ交換にまわったり、物品の整理や補充などの雑用ばかり。他の看護師は看護業務やってるのに。(看護師歴10年、30代)
・前日にインシデントを起こしてしまいました。落ち込んでいた私ですが、次の日出勤して師長に報告すると、「今日はもう何もしないで!」と。受け持ちを持たせてもらえず、かといって他の看護師の業務を手伝おうとすると「触るな!」と叱られ…仕方なく看護記録を見ていると、「暇なら帰れ」と。地獄でした。(看護師歴1年、20代)

以上、パワハラ6種類を紹介しました。

私も経験あるわ~
あれパワハラだったんだ…

思い当たる看護師も多くいたのでは?

こんなパワハラを受けたら、本当に辛いし、苦しいですよね…

パワハラって、なんでこんなにも辛いの?

やめてほしい!って言えない
相手は自分よりも優位な立場の人間です。
指摘や反論をしたら、大きな力で反撃される恐怖があります。我慢するしかない…だから辛いんです。

人事権のある人なら、意図しない部署へ異動させられるかもしれません。評価を下げられ、ボーナスや給料が減額になるかもしれません。さらにあたりが強くなり、職場にいられなくなるかもしれません…。

自分が悪いと思い込む
パワハラを受けやすい人は、理不尽な理由で叱責されても、自分が悪いんだと思い込む傾向にあります。
できない自分。迷惑かけてる自分。怒られても仕方ない…こんな風に原因は自分だと受け入れてしまう…だから辛いんです。

じゃあこんな時、どうすればいいの!?
そこで次はパワハラの対応策を紹介します。

パワハラにあったら、どうすればいいの?

1 正しい知識で振り返る
本当にパワハラか、冷静に振り返りましょう。
自分と相手との関係性、行為の継続性、行為の内容、業務範囲、それによる職場や自身への影響はどうか。
まずは落ち着いて振り返ってみましょう。

2 相談する
自分が悪いと思い込んでいる人は、なかなか相談するに至らないケースが多いです。
しかし、相談する事で問題の行為を客観的にみることができるし、第三者の意見も聞けます。
一人でモヤモヤ抱え込むより、相談して心を軽くしましょう。

・信用できる知人や家族に相談
こんなことがあった、と話すだけでも気持ちは楽になるもの。辛い気持ちを共有することで、心の負担を軽くできます。

・内部の相談機関を利用
知り合いには相談しにくい…
そんな時は、職場の相談窓口を利用しましょう。
病院によっては、専門のカウンセラーや、産業医を設置していたりします。

ただ、相談窓口とは名ばかりで、実際には機能していない場合もあります。その場合、相談内容が上司に筒抜けになっていたりするので、注意が必要です。一度職場の相談体制を確認しましょう。

・外部の相談機関を利用
内部の相談窓口では何か不利益がありそう…と不安な人は外部の窓口を利用しましょう。

病院によっては、外部の相談機関と提携しています。その場合、相談件数などの概要は報告されますが、個人情報や相談内容などのプライバシーは守られるので安心です。

労働基準監督署に、相談コーナーが設置されています。無料で、電話でも相談できます。

その他、「労働紛争解決支援センター」、「みんなの人権110番」、「法テラス」、「かいけつサポート」など、沢山あります。
公的−民間機関、無料−有料、相談相手が弁護士、社労士、相談員のように、それぞれ特徴があるので、確認してから相談しましょう。

3 異動する
ただし、病院が組織的にパワハラ対策を取ってなかったり、パワハラ体質の場合は、異動してもまた同じことが起こる可能性が高いです。
よく他部署の内情を調べて、異動希望を出しましょう。

4 転職する
パワハラがある職場から抜け出しましょう!
パワハラに悩んでいてどうにかしたいと思っているなら、正直これが1番てっとり早い方法で効果的です。

パワハラに対して1番有効なのは、加害者よりもさらに上の力です。
先輩なら師長、ドクターなら院長が「パワハラはダメ!」と言えば、気をつけるようになるものです。
そのため、病院全体でパワハラ対策を行っていないところは、たとえ病院内で異動しても状況が変わることは難しいと考えてください。

実際に、病院のトップがパワハラはいかん、と明言している病院や、上司を集めたパワハラ研修が行われている病院や、院内の相談機関が機能している病院では、パワハラ被害は少ないことが分かっています。

思い切って、パワハラの少ない病院へ転職しましょう。

まとめ

今やパワハラは大きな社会問題となっています。しかし、セクハラに比べると、きちんと法規制されているわけではなく、病院での取り組みもやったりやらなかったり。

社会的にも企業単位でも、まだ不安定なパワハラ対策。
だからこそ、きちんと体制が整っている病院を選び、自分を守ることが大切です。

パワハラは我慢しても、なくなることはありませんからね。


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医師が看護師に怒鳴り散らす!パワハラだらけの職場

30代女性  整形外科8年 精神科2年 外科2年の経歴
看護師歴は13年ほどで、現在は精神科に勤務しています。

次第に現る医師の本性!

開院したばかりの整形外科にてスタートメンバーで私は看護師として勤務していました。
始めは笑顔だった医師(経営者)たちも、予想外の忙しさに本性を現し始めたのです。8時半から業務開始なのですが、半強制的に8時前からの勤務を強いられたり、本人の責任ではないことで怒鳴られたり。それも患者の前や病棟内で平気で怒鳴り散らすんです。
また、出してもいない指示を「そう言っただろう!」と怒り出す始末・・・。そもそも口頭指示はダメですよね。パワハラだらけでしたね。

医師を含めての意見交換会!

師長は経営者である医師に連れられて、引き抜かれた人なのでもともとの医師たちの性格を熟知していました。師長に相談はしていましたが、「ああいう子供みたいな人たちなのよ。言っても変わらないよ」と諦めさせるばかり。
なかなか話を上(医師達)に持って行ってはくれませんでした。
そのうち、私たちが文句を言い合っていることを経営者たちが知って意見交換会のようなものを開いてもらいましたが、そんなところで本音を言えるわけもありません。言えるもんなら言ってみろ、といった雰囲気でした。

パワハラからの脱出!

忙しく残業が多かったですが、申請すればちゃんと出してくれたので報酬はそれなりにありました。
報酬は残業手当のぶんである程度あったのですが、賞与に関してはやはり基本給に影響されるので基本給が高い事を一番に重視しました。その結果、退職することにしました。給与面もそうですが、やはりパワハラにどっぷり浸かっていたので、もっと健全に働ける環境の職場に変わりたいと考えました。医師の理不尽な怒鳴りっぷりも、慣れてはきてたのですが。それから、精神科への転職を決めました。
  

パワハラや労働条件に悩んだら

給与条件などは事前に知ることはできますが、実際に働いてみないとわからないことは多いですよね。個人病院で働いているのでしたら独立行政法人など公的な病院に行けばかなり環境的にも給与的にも恵まれると思います。今は転職サイトなんかがあり、労働条件や病院の内情まで事前にわかるみたいです。そのような方法も使い、許されるのであれば早めの行動・決断をするべきだと思います。