おしえて!透析室で働きたい看護師のための Q&A

透析室の看護師って人気があるって本当?

本当です。
理由は休みがとりやすいことと、夜勤がないことです。さらにいうと、残業も少ないため、既婚の看護師や子育て中の看護師に人気の職場です。

また、特殊な分野で専門性が高いため、一つの分野を極めたい人にも人気があります。

透析施設にはどんなところがあるの?

大きく分けて病院とクリニックの2種類があります。

病院では、循環器の疾患や骨折など、様々な疾患で入院している透析患者さんを対象に、「入院透析」が行われます。
クリニックでは、日常生活にあまり問題なく、自宅から通える患者さんには、「外来透析」が行われます。

入院透析の方が、重症度的には重い患者さんを対象にするため、より深い知識が身に付きます。

病院とクリニックで働き方の違いはある?

病院で多いのは 早番/遅番/準夜 という勤務帯の他に、日勤のみや夜勤がある場合もあります。
例・・・早番8:00-16:30/遅番12:30-21:00/準夜14:00-22:30
    日勤のみ8:30-17:00

クリニックでは、 早番/遅番 という勤務帯が多く、時間はクリニックにより大きく異なります。
例・・・早番8:00-17:00/遅番10:30-19:00
    早番7:30-16:00/遅番12:00-20:00

このように、クリニックの診療時間によっても異なるため、勤務時間については求人ごとにしっかり比較検討しましょう。
また、患者さん毎に透析時間が決まっており、緊急の透析が入らない限りは残業もほとんどないため、家庭を持つ看護師に人気があります。

透析室のお給料は高いってホント?

透析クリニックの給料は他のクリニックに比べて高い傾向にあります。しかし、ここで注意したいのは「クリニックの中では高い方だけど、病院においては決して高いとは限らない」という点です。

たしかに透析は、一般の診療科に比べて専門性が高いです。
ただ、病院勤務といっても夜勤がない場合が多いです。
そのため、夜勤手当によって上昇する看護師の給料においては、透析室=高収入と一言では言えません。

クリニックに限定して考えると、他の診療クリニックに比べて専門的な知識や技術が求められる分、お給料の金額も数万円ほどベースがアップしています。より高収入のクリニックへの転職を考えている方には、おすすめです。

透析室の看護師はどういう仕事をしているの?

具体的な仕事の流れを、ある病院での透析室の1日を例にみていきます。
(あくまでも一例です)

<透析前>
①カンファレンス…透析を受ける患者さんの情報収集。スタッフ全体で情報を共有します。

②透析機器の準備…病院では医療機器の専門家である臨床工学技士が行うことが多いですが、クリニックでは看護師が行う場合があります。

③薬剤の準備…抗凝固剤は透析には必須薬剤です。すでにシリンジ内にセットされている薬剤もありますが、バイアルから看護師がセットすることもあります。

④患者さんの観察…バイタル、体重測定を行い、透析が行えるか、また体重の増加分に合わせてどれくらい除水を行うかの確認を行います。合わせてシャントの観察を行います。
・体重が急激に増えている
・血圧が異常に高いor低い
・シャント音に異常がある
このような場合には透析を指示している医師に報告し、指示を仰ぎます。

<透析中>
①穿刺…透析はシャント部に二本の針を穿刺します。この穿刺は看護師が行い、他にそれを補助する看護師が付きます。補助では、穿刺した針やそのルートの固定、透析開始に伴う機器の操作を行います。

②血圧測定…透析によって血圧が急激に低下するおそれがあり、透析中は30分から1時間ごとに血圧を測定し、急激な変動がないかを見ていきます。

③患者さんの観察…透析は体への負担が大きく、異常がないか常に注意が必要です。認知症の患者さんなど安静を保持しにくい場合は、自己抜去防止のために観察を強化したり、鎮静剤を使用することもあります。

④コミュニケーション…透析中に患者さんとコミュニケーションをとることは、信頼関係を構築するだけでなく、透析への不安の軽減を図ります。

⑤返血…透析機器よりろ過された血液は、再び患者さんへ返されます。透析時間は医師から指示が出されるため、時間が来たら返血作業を行います。

⑥止血…抜針後は患者さんが個々に用意いている止血バンドを用いて圧迫止血を行います。
確実に止血ことが重要です。

⑦体重測定…透析終了後、再度バイタルと体重測定を行い、異常ないかを確認します。

<透析後>
①機器の清掃…臨床工学技士が中心となり、使用後の透析機器の清掃を行います。このとき、血液によって機器が汚染されていることもあるため、感染に注意が必要です。

②シーツ交換…午前、午後の二回シーツ交換を行います。

③部屋の清掃…午前の部、午後の部の透析が終わったら、部屋の清掃を行います。

④申し送り…スタッフ全体で注意点などを確認し合います。緊急の透析がない限り、定刻で業務終了です。

透析機器ってなんだか難しそう・・・

それは女性が機械に弱い傾向にあることと、「難しい」という固定観念からくるものです。

透析看護に興味があるけど、なかなか一歩が踏み出せないのはもったいないです。透析装置に関しての苦手意識や、異常時に警報が鳴った時の対処法がわからないなどの不安があるのでしょう。

それは、透析装置に表示される数字や項目の意味を理解できていないからです。これらを理解すれば、不安な気持ちは軽減するでしょう。むしろわかることで面白さを感じます。透析装置の扱いには注意が必要ですが、理解したうえで行えば意外と簡単だということがわかります。

透析機器を扱えるとかっこいいですよね!他に身につくスキルってありますか?

なんといっても「穿刺技術」があげられます。
通常点滴で使用する針は22~24G、透析で使用される針は16G~17Gです。透析時の針は太く、より高い穿刺技術が身につきます。穿刺する血管も、硬い血管や人工血管のため、難しいです。
透析患者さんは穿刺の失敗を一番嫌がります。そのため、難しい穿刺を失敗しないように、注意深く行うことで、穿刺技術は飛躍的に向上します。

また、透析中は患者さんとコミュニケーションをとることも多く、患者さん一人ひとりと長期的にかかわることになるため、コミュニケーション能力も磨かれます。

病院によっては信頼関係を築いてからしか、穿刺をさせない施設もあります。

患者さんとの関係が悪くなることもあるんですか?

信頼関係がうまく築けない場合もあります。
透析は基本的に週に3回ペースで行われます。患者さんも慣れているので、透析の手順や看護師の業務、職場の人間関係など知りつくしています。

その中で、
・この新人に穿刺はされたくない
・この看護師は冷たい対応だから話したくない
・あいつは穿刺失敗しても謝らなかった
・誠意がある看護師だ
・見回りにあまりこない看護師
・おしゃべりがうるさい看護師
などと判断している人も多いのです。
一番は穿刺の失敗が多いのに誠意がない看護師は信頼関係がうまく築けません。もし失敗したら、精神誠意患者さんに謝りましょう。

透析室で取得できる資格って?

透析室勤務で看護師が取得できる資格は主に4つあります。

①透析認定看護師
条件:正看護師経験5年以上(内透析業務3年以上)
期間:6か月
費用:100万円
試験:あり
更新:5年ごと(5万円)

②透析技術認定士
条件:正看護師→透析看護2年以上
   准看護師→透析看護3年以上
期間:約2か月
費用:9万円
試験:あり
更新:5年ごと(3千500円)/学会発表・出席、指定されたセミナーの参加など

③透析療法指導看護師
条件:正看護師経験5年以上(内透析腎不全領域業務3年以上)
   日本腎不全看護学会正会員歴が通算して3年以上
   学術集会、セミナーなどで既定の単位を取得
   腎不全看護領域の実践報告を3例提出
期間:特になし
費用:特になし
試験:あり(3万円)/登録料1万円
更新:5年ごと(5万円)

④フットケア指導士
資格:正・准看護師経験3年(フットケアの実務経験が必要)/フットケア学会に所属
期間:セミナー1日
費用:1万円
試験:あり(1万円)
更新:5年ごと(1万円)/学術セミナー参加70単位の取得

認定看護師は6か月間学校に通う必要があるためにハードルがあがってしまいますが、他の資格については、認定看護師に比べて金銭的にも取得しやすい資格といえます。
資格取得はスキルアップだけでなく、資格手当も期待できるため、ぜひ取得したいものです。

透析室からの転職ってできますか?

透析看護師は専門性が高いことから、他の診療科へ転職が難しくなると言われています。それは業務の流れが全く違うからであって、透析室での学びは大いにプラスになります。

・血圧の変動、水分バランス、電解質、などの数値からみるアセスメント能力
・様々な数値から今後どのような症状が予測されるか危険予測
・透析の合併症(心不全、狭心症、脳血管疾患、皮膚疾患、など)の看護

これらの学びは他の診療科でも必要なスキルになります。
特に水分のINOUTや電解質などの数値を詳細に読み取れる力は転職後も大変役に立ちます。

やりがいってなんですか?

透析患者さんにとって、透析は生きるために必要不可欠なことです。
透析業務に携わる透析看護師は、患者さんの「命をつなぐ」お手伝いができるということなんです。とてもやりがいのある職場といえます。

また、患者さんに頼りにされている、信頼関係が築けていると感じるときは、自分のがんばりが評価されたような気分になり、うれしく感じます。